YMF2025レポート

山形国際ムービーフェスティバルYMF

映画祭2日目は招待作品『BEST GUY』村川透監督の舞台挨拶・上映からスタートです。本作は、航空自衛隊・千歳基地を舞台に、最優秀パイロットに与えられる “ベストガイ” の称号をめぐって競い合う若者たちを描いた、ダイナミックな超音速スカイアクションの決定版です。

『BEST GUY』舞台挨拶・(左から)MCと対談する村川透監督 『BEST GUY』舞台挨拶・村川透監督

作品の上映前に村川透監督に登壇いただきました。本作は、日本で初めて航空自衛隊が全面協力して制作された作品で、当初は膨大な費用がかかるため撮影は難しいと考えられていたそうです。しかし、熱意を重ねて伝えていくなかで協力が実現し、最終的には基地の皆さんとともに作品をつくり上げたと語ってくださいました。撮影当時の貴重なエピソードが次々と披露され、時間があっという間に過ぎるほど充実した舞台挨拶となりました。


続いては、招待作品『リバーズ・エッジ』の上映と舞台挨拶です。高校生のハルナは、同級生の山田が密かに抱える“秘密”を知ったことをきっかけに、彼や仲間たちの孤独や痛みと向き合っていく。日常の裏に潜む暴力と喪失を通じて、若者たちの儚いつながりと生の実感を描く物語です。

『リバーズ・エッジ』舞台挨拶・(左から)MCと対談する行定勲監督 『リバーズ・エッジ』舞台挨拶・行定勲監督

舞台挨拶には行定勲監督に登壇いただきました。主演の二階堂ふみさんと吉沢亮さんとの思い出や作中の監督自らがインタビューをするシーンについて貴重な裏話をしていただきました。また12月19日に公開を控えている行定勲監督最新作「楓」の予告編を上映し、コメントをいただきました。


続いては、招待作品『IT/イット ウェルカム・トゥ・デリー "それ"が見えたら、終わり。第1話(字幕版)』の上映と舞台挨拶です。恐怖のピエロ「ペニーワイズ」の誕⽣の背景と、街に潜む⻑年の闇が明かされる「IT」シリーズの前⽇譚です。

『IT/イット ウェルカム・トゥ・デリー 第1話(字幕版)』舞台挨拶・(左から)MCと対談する下野紘さん 『IT/イット ウェルカム・トゥ・デリー 第1話(字幕版)』舞台挨拶・下野紘さん

作品上映前には、なんとサプライズで監督たちからYMFに向けたビデオメッセージが上映され、会場中が驚きに包まれました!舞台挨拶では下野紘さんに登壇いただき、ボブ・グレー役に決まった時の心境や、これまでに体験した怖いエピソードなどをお話しいただきました。今作はU-NEXTで独占配信中です。


シアター7では、ソラシドさんをMCに迎え、今年の応募総数282作品中から11作品に残り、ノミネートされた監督たちのトークセッションが行われました。

ノミネート作品トークセッション ノミネート作品トークセッション

撮影当時の思い出と裏話、作品に込めた思いなど、ここでしか聞けないトークが満載でした!


続いては、招待作品『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』の上映と舞台挨拶です。ニューヨークで暮らす日本人の賢治と妻ジェーン。幼い息子が誘拐されたことで、封じていた秘密や本音が暴かれ、夫婦の絆が崩れていく。悲劇を通じて家族の再生と孤独を描くヒューマンサスペンス作品です。

『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』舞台挨拶・真利子哲也監督 『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』舞台挨拶・朱永菁プロデューサー

舞台挨拶には真利子哲也監督、朱永菁プロデューサーに登壇いただきました。この作品が生まれたきっかけと作品に込めた思い、ニューヨークでの撮影の様子やそれぞれの好きなシーンについてなど、作品への理解がより深まる、貴重な舞台挨拶となりました。


そして、YMF2025表彰式です。

「才能よ、雪に埋もれるな。」をテーマに、若手クリエイター支援のためのスカラシップ制度を設けている本映画祭。YMF審査委員、特別顧問、映画監督、役者の皆様、配給会社や各協力企業の皆様など、映画関係者が全国から集まり、グランプリが決定する瞬間です。今年は全国から282作品の応募があり、その中から11作品が最終ノミネート作品として選出されました。この日、審査委員による最終選考会が行われ、各賞が決定!いよいよ発表です!

受賞結果は以下の通りとなりました!

☆グランプリ
「リテイク」 大賀英資監督
「NOVA」 寺田悠真監督

★準グランプリ
「ちくわっちゃ!」三坂知絵子監督

■船越英一郎賞(最優秀俳優賞)
「NOVA」西村カロリナさん

■審査委員特別賞
「生きているんだ友達なんだ」上野詩織監督

■観客賞
「ちくわっちゃ!」三坂知絵子監督

■脚本賞
「リテイク」大賀英資監督

■村川透監督賞
「ようこそパラレルワールドへ」猪浦直樹監督

■U-NEXT賞
「ちくわっちゃ!」三坂知絵子監督

■東北ケーブルテレビネットワーク賞
「Dessert Night」境るい監督

■日本テクトホールディングス賞
「引かれ者の小唄」栗本慎介監督

■NID東北賞
「夜中のポップコーン」藤本匠監督

■入選
「15分間の奇跡」岡﨑貴宏監督

■入選
「山のあなた」伊藤希紗監督

■入選
「拝啓 住民投票さま 石垣島のまんなかで起きたこと」湯本雅典監督

YMF2025表彰式

グランプリを獲得した「リテイク」の山田紘子プロデューサーは、「バーチャルプロダクションという技術を用いたスタジオで撮影した作品で、この技術が持つ表現力を最大限に生かして制作しました。とくに、主人公が宇宙へ飛び出していくシーンは、カメラ・照明・演技のすべてのタイミングを合わせ、スタッフが一丸となって挑んだ大切な場面です。この場に監督がいないのは残念で申し訳ない気持ちもありますが、受賞の報告を一早く監督に伝えたいと思っています。」と感謝の気持ちを述べました。大賀英資監督おめでとうございます!

YMF2025表彰式

グランプリを獲得した「NOVA」の寺田悠真監督は、「この作品は、多くの方々の協力によって完成したものです。現在、僕は助監督として活動しており、さまざまな先輩監督のもとで作品づくりに携わるなかで、「監督の情熱が作品に反映される」ということを学びました。今作は短い作品ではありますが、自分なりの情熱を込めて制作できたと思っています。僕は商業映画の監督を目指しています。今回いただいたチャンスを生かし、先輩監督たちも驚くような作品をつくって、日本映画界を盛り上げていきたいです。」と感謝の気持ちを述べました。寺田悠真監督おめでとうございます!

YMF2025表彰式 YMF2025表彰式

準グランプリとなったのは三坂知絵子監督の「ちくわっちゃ!」。
船越英一郎賞(最優秀俳優賞)には『NOVA』に出演した西村カロリナさんが選ばれました。

YMF2025表彰式

受賞された皆さん、本当におめでとうございます!


表彰式終了後には、ムービーオンやまがたのロビーにてレセプションパーティーが開催されました。

レセプションパーティー

受賞直後で興奮冷めやらぬ若手クリエイターたちと、著名な監督・俳優陣が交流する姿は、この場でしか見られない特別な光景でした。会場は皆さま時間を忘れて大盛り上がり!この場所で生まれた出会いが、新たな物語を紡いでいく…。そんな人との交わりこそ、映画祭の醍醐味だと感じます。

レセプションパーティー

ということでYMF2日目も大盛況!
明日はいよいよ最終日です!

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