YMF2025レポート

山形国際ムービーフェスティバルYMF

11/7(金)・8(土)・9(日)の3日間、ムービーオンやまがたで第21回山形国際ムービーフェスティバル2025(YMF2025)が開催されました。若手クリエイターを支援するコンペティションや、招待作品の上映、豪華ゲストによる舞台挨拶など、様々なプログラムが行われた3日間。その様子をご紹介していきたいと思います。

YMF2025開催!ロビーには祝い花が飾られました。 YMF2025開催!シアター入り口はYMFの幕が飾られました

YMF2025の開催を記念して、映画フィルムをデザインしたYMFオリジナルのTシャツとトートバッグが限定発売されました!

YMF2025オリジナルグッズのトートバッグとTシャツ

まずはじめに、招待作品『マチルダ・悪魔の遺伝子』の上映と舞台挨拶です。男性の暴力性の原因とされる特異な遺伝子が発見され、社会は男性を排除し続けた結果、2222年には女性だけの世界が完成する。しかし、ある女性が遺伝子技術で再生された“男性”と出会ったことから物語が動き出すSF作品です。

『マチルダ・悪魔の遺伝子』舞台挨拶・(左から)MCと対談する遠藤久美子監督、その隣には「マチルダ・悪魔の遺伝子」のポスターが掲示されました 『マチルダ・悪魔の遺伝子』舞台挨拶・遠藤久美子監督

舞台挨拶には、遠藤久美子監督が登壇されました。監督には、YMFでフルAI生成の映画は初上映!トークでは、この映画を作ろうと思ったきっかけと、AIでの映像制作にかかった時間やNGシーンなどの裏話、また遠藤監督の今後の展望について、お話しいただきました。


続いて、招待作品『金子文子 何が私をこうさせたか』の上映と舞台挨拶です。100年前、日本の国家権力に全力で抗った虚無主義者/無政府主義者・金子文子 死刑判決から獄中での自死に至る121日間を描いた作品です。

『金子文子  何が私をこうさせたか』舞台挨拶・浜野佐知監督 『金子文子  何が私をこうさせたか』舞台挨拶・菜 葉 菜さん 『金子文子  何が私をこうさせたか』舞台挨拶・結城貴史さん

舞台挨拶には、浜野佐知監督、菜 葉 菜さん、結城貴史さんが登壇されました。トークではなぜこのテーマを取り上げたのか、役を演じてみてどうだったか、また今年9月に亡くなられた吉行和子さんの出演シーンについてなど作品に関するお話で大変盛り上がりました。


続いて、招待作品『旅と日々』の上映と舞台挨拶です。講義で上映された自作映画に自信を失った脚本家の李は、急逝した教授の形見のカメラを手に雪深い町へ旅に出る。行き着いた古い宿で、風変わりな主人べん造と過ごす時間の中、李は自分の迷いと向き合っていく。ロカルノ国際映画祭金豹賞《グランプリ》&ヤング審査員賞特別賞W受賞作品です。

『旅と日々』舞台挨拶・(左から)MCと対談する三宅唱監督 『旅と日々』舞台挨拶・三宅唱監督

舞台挨拶には、三宅唱監督が登壇されました。トークでは映画を通して伝えたい思い、監督から見てこの映画のどんなところが世界中の人々に刺さったのか、撮影の思い出や裏話など貴重なお話をしていただきました。


続いて、いま世界で大注目の2人の監督によるトークセッションです。

トークセッション・壇上で話す(左から)MCと真利子哲也監督と三宅唱監督 トークセッション・真利子哲也監督と三宅唱監督

スペシャルトークセッションでは真利子哲也監督と三宅唱監督が登壇されました。 お二方には、自分の作品が世界で上映されることに対する率直な気持ちや映画と映画館に対する愛を熱く語っていただきました。また、今回の招待作品であるお互いの作品の感想を交換し合う場面も!ここでしか聞けない話が盛りだくさんのトークセッションでした。


続いて行われたのはYMF2025オープニングセレモニーです。

オープニングセレモニー

セレモニーでは、YMFの吉村和文運営委員長をはじめ、審査委員の古賀俊輔さん、岡崎由紀子さん、特別顧問の條々淳さん、本多利彦さん、舞台挨拶でご来場いただいたYMFアンバサダーの菜 葉 菜さん、結城貴史さん、遠藤久美子監督、浜野佐知監督、三宅唱監督、真利子哲也監督、齋藤優一郎プロデューサー、永野監督、新井勝也監督、孫ダッシュの吉村和彬さん、土屋さんが登場しました。

吉村和文運営委員長は開会の挨拶にて「いよいよ第21回山形国際ムービーフェスティバルが開幕しました。2005年に始まったこの映画祭も、今年で20年を迎えます。 これまでには東日本大震災やコロナ禍など、開催が難しい年もありましたが、多くの応募作品と映画を愛する皆様の支えにより続けてくることができました。心より感謝申し上げます。 本映画祭は、監督の思いやメッセージを受け手へつなぎ、映画文化を育てる場として歩んでまいりました。ここから巣立った多くのクリエイターや俳優が活躍していることも、大きな励みです。 今年もこの場から新たな出会いや化学反応が生まれ、日本映画界を盛り上げていくことを願っています。私たちも引き続き、熱い思いを届けられるよう努めてまいります。」と開催の喜びを語りました。

今年は多くの方に登場いただき豪華なオープニングとなりました!


続いて、細田守監督最新作「果てしなきスカーレット」スタジオ地図 齋藤優一郎プロデューサーが登壇されました。

壇上で話す(左から)MCと齋藤優一郎プロデューサー 齋藤優一郎プロデューサー

4年ぶりの新作で11/21に公開を控えた「果てしなきスカーレット」についてお話しいただきました。本作は、復讐に失敗し“死者の国”で目覚めた王女スカーレットは、現代日本から来た看護師・聖と共に混沌の世界を旅する。対立しながらも彼の優しさに触れ、心に変化が生まれ、生きる意味を見つめ直していく物語です。

トークでは、細田守監督の構想や込めた想い、そしてプロデューサーとして心掛けたこと、感じたこと、また、芦田愛菜さんや岡田将生さんのキャストに関してもお話しいただきました。


そして初日最後の招待作品となったのが『MAD MASK』です。舞台挨拶には、永野監督、新井勝也監督、孫ダッシュさんに登壇いただきました。永野監督初の長編作品、ひたすら悪い事しか起こらない狂気と笑いのブラックコメディです。

『MAD MASK』舞台挨拶・壇上で話す(左から)MCと永野監督と新井勝也監督と孫ダッシュの吉村和彬さんと土屋さん
『MAD MASK』舞台挨拶・永野監督 『MAD MASK』舞台挨拶・新井勝也監督 『MAD MASK』舞台挨拶・孫ダッシュの吉村和彬さんと土屋さん

上映前トークでは、作るきっかけとなったエピソードや、「マスク」をテーマにしようと思った理由、それぞれが作中で注目してもらいたいポイントについてお話しいただきました。

ということで、YMF2025の1日目が終了!
映画祭はまだまだ続きます!

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