YMF2018レポート

山形国際ムービーフェスティバルYMF

YMF2018最終日、最初の招待作品は『彼女の人生は間違いじゃない』。
上映・舞台挨拶が行われました。
東日本大震災後の福島を舞台に、震災の傷を抱えながら懸命に生きる人々の姿を描いた廣木隆一監督の初小説作品を、自身で映画化されています。

福島県郡山市出身の廣木監督。
「現地に行って、自分の目で(地元を)確かめようと思ったのがきっかけ。心の整理をつけるために、まず小説を書いた」と、製作の動機を語りました。

また、主演の瀧内公美さんは
「出演が決まったときは、難しい作品だと思った。迷いながらも、実際に福島に行って仮設住宅の中を見せて頂いたり、(地元の方の)お話を聞かせていただいた。決まってからクランクインするまでが短かったので…凄いスピードでした」と、撮影に当たっての苦難を語っていました。

観客の皆さんの中には、実際に震災で被害に合われた方も。
映画祭で沢山の皆さんに鑑賞して頂いたことで、復興への後押しが出来ればと思います。
廣木監督・瀧内さん、ありがとうございました!

続いては、第68回ベルリン国際映画祭 国際批評家連盟賞を受賞した『リバーズ・エッジ』の上映・舞台挨拶が行われ、
行定勲監督が登壇しました。

欲望と焦燥の中で生きる若者たちのありのままの姿を描いたこの作品。
行定監督は原作について「僕が24、5の助監督時代に出版された、凄く好きだった作品。岡崎京子作品の中でもトーンが違って、特別。漫画以上のことやんなくていいじゃん、と思っていた」「主演の二階堂ふみが“とにかくやりたい”と声を掛けてきたので、やりたくなかったけどやってるんですよ(笑)」と語っていました。

また、作中の登場人物へインタビューする、という演出については全てアドリブというから驚き!一番長い人で90分も撮影しているそうですよ!
役者さん方が作品について自ら考えたものを見せる、という監督ならではのエッセンスが盛り込まれています!

行定監督自身がディレクターを務める「くまもと復興映画祭」は毎年4月に行われているそうですよ。
春は熊本、秋は山形で映画を楽しみましょう!
行定監督、ありがとうございました。

YMF最後のイベントとなるのは、
宮城県気仙沼出身のシンガーソングライター・熊谷育美さんのスペシャルライブです!

数々の映画主題歌を手掛けている熊谷さん。
ご自身による伴奏で、映画『悼む人』主題歌「旅路」、「花びら抱いて」など未発表曲を含む全7曲を披露!
静まり返った会場に、熊谷さんの澄んだ歌声が響き渡りました。
会場からのアンコールの手拍子にも答えてくださいましたよ!

約2年ぶりの登場となった熊谷さんですが、
12月には宮城で10周年記念コンサートが行われるそうです!

そしていよいよ今年のYMFもフィナーレ! 来場頂いたゲストの方々より「刺激をたくさん頂いた」「また是非呼んで下さい!」といった嬉しいお言葉を頂きました。

最後に吉村和文運営委員長より、ご挨拶を申し上げました。
「この14年間、様々な技術革新があり、これからも映画の見方が変わっていく。ただ、そういう技術革新があっても、自分が感じるものを表現することがこれからもっと際立っていくと信じています。
この映画祭が、映画好きな方々の“文化祭”として続いていければ、東北、そして山形という地域、そして日本の未来が光り輝いていくと思います。
3日間、皆様といろんなものを共有できたと思っております。来年は15年という節目、また皆さんにご来場いただき、この映画祭をもり立てていただければと思います。
本当にありがとうございました。」

YMF2018、お楽しみ頂けましたでしょうか?
映画三昧、あっという間の3日間でしたね。
今年も様々な方々にご協力、そしてご来場頂き、無事閉幕することが出来ましたこと、心より感謝申し上げます。
来年もここ、ムービーオンやまがたでお会いできることを楽しみにしております!
3日間、本当にありがとうございました!

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