SPECIAL INTERVIEW
水谷豊監督・菜 葉 菜さん スペシャルインタビュー
『Piccola felicità(ピッコラ・フェリチタ)~小さな幸せ~』

――『HOME 愛しの座敷わらし』、『相棒-劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』、『TAP-THE LAST SHOW-』、そしてこの度の『Piccola felicità(ピッコラ・フェリチタ)~小さな幸せ~』で4回目の来館となりますが、久しぶりのムービーオンやまがたの雰囲気はいかがでしたか?
(水谷豊監督)以前訪れた際にも大変な熱量を感じましたが、今回はそれ以上の熱量を感じました。映画に対する想いが、お客様も映画館も年々強くなっていることが伝わってきます。特に今回は皆さんの熱い気持ちを強く感じました。
――菜 葉 菜さんも何度もムービーオンやまがたに来館されていますが、今日の雰囲気はいかがでしたか?
(菜 葉 菜さん)東北最大級の大きなスクリーンで『ピッコラ・フェリチタ』を上映していただけることに、本当に幸せを感じました。改めて「あんなに大きなスクリーンで上映されているんだ」と実感して、とても感慨深かったです。
――俳優として第一線で活躍される一方で、企画・監督・脚本・プロデュースも手掛けていらっしゃいます。なぜご自身で映画づくりをされるのでしょうか?
(水谷豊監督)これは自分でもなかなか説明が難しいんです。「だからこうしているんだ」という明確な理由を見つけるのは難しいのですが、何かに突き動かされるような感覚があります。自然とそちらへ向かっている、そんな感じですね。
――『ピッコラ・フェリチタ』というタイトルに込めた思いを教えてください。
(水谷豊監督)この作品は3つの物語で構成されています。第1話は「ファミリーレストラン」、第2話は「油絵教室」というタイトルが早い段階で決まっていたのですが、第3話だけなかなかタイトルが決まりませんでした。
第3話はホテルが舞台で、ヨーロッパ風の「そこへ行くと幸せになれるホテル」というイメージで描いていました。そこでホテルの名前を考えていた時に、「小さな幸せのホテル」という発想が浮かんだんです。
ただ、日本語では少し難しいと感じて、ふと、「イタリア語では何と言うのだろう」と調べたところ、『ピッコラ・フェリチタ』という言葉に出会いました。「ホテル・ピッコラ・フェリチタ」という響きやイメージがとても良かったんです。
そして制作を進めるうちに、「この言葉こそ作品全体を表している」と感じ、映画全体のメインタイトルにしました。
――作品の中では、人のさりげない心遣いや優しさが、“小さな幸せ”を生み出しているようにも感じました。
(水谷豊監督)全くその通りです。そうした想いも、このタイトルにすべて集約されていると思います。
――菜 葉 菜さんも重要な役で登場しますが、菜 葉 菜さんをキャスティングした理由を教えてください。
(水谷豊監督)菜 葉 菜さんご自身が「コメディータッチの役があまり来ない」とおっしゃっていたんです。でも『相棒』でご一緒した時、撮影の合間にお話ししていて、ものすごく明るくて、魅力的なお芝居をする方だと感じていましたから、そういう役も当然たくさん演じていると思っていたんです。それなのに「やったことがない」と聞いて驚きました(笑)。そうした理由もあり、オファーさせていただきました。

――出演が決まった時のお気持ちを教えてください。
(菜 葉 菜さん)本当にうれしかったです。ただ、その喜びの後にはプレッシャーもありました。
「水谷監督の期待に応えられるだろうか」「私をキャスティングして良かったと思っていただけるだろうか」という不安やプレッシャーも正直ありました。
でも、水谷組は初日から俳優を萎縮させない環境をつくってくださるんです。監督の器の大きさや包容力を強く感じました。
実は『相棒』に出演した時から感じていたことなんですが、あの温かい現場の空気は水谷監督がつくり出しているものなんです。
――水谷監督の現場で感じたことは?
(菜 葉 菜さん)私は20年以上俳優を続けてきましたが、「本物のスターは優しい」ということを水谷さんから学びました。
『相棒』の時もそうでしたし、『ピッコラ・フェリチタ』でもその印象は変わりませんでした。
もっと早く出会いたかったと思うくらいですが、今このタイミングで出会えたことにも意味があると思っています。
役者を続けてきて本当に良かったと思いましたし、これからも続けていきたいと改めて感じました。
水谷さんの背中を見て「私は絶対に中途半端な意地悪な役者にはなりたくない」と感じました(笑)水谷さんには本当に感謝しかありません。
(水谷豊監督)やっぱりここは菜 葉 菜さんのホームタウンですね。発言に力がありますね(笑)。
――「山形国際ムービーフェスティバル」という映画祭を2005年から毎年開催し、若い才能を発掘する取り組みを継続しています。これから映画監督を目指す若い世代へメッセージをお願いします。
(水谷豊監督)どんな仕事もそうですが、誰もが必ずなれる世界ではありません。けれど、やってみなければ分からない世界でもあります。だからこそ挑戦する価値があるんですね。想いがある人は、ぜひトライすべきだと思います。
――アンバサダーの菜 葉 菜さんからもお願いします。
(菜 葉 菜さん)水谷監督の後になんて言えないですよ!誰が言ってんだって感じになっちゃうんで(笑)。
私は人との出会いがすべてだと思っています。
20年間役者を続けてこられたのも、人との出会いに支えられてきたからです。そして続けてきたからこそ、水谷監督のような方とも出会うことができました。
だからこそ、人との出会いを大切にしてほしい。そして自分の志を強く持ち、諦めずに続けてほしいと思います。
私もまだまだ頑張りますので、一緒に頑張りましょう。
――これから『ピッコラ・フェリチタ』をご覧になる皆さまへメッセージをお願いします。
(水谷豊監督)映画はエンターテインメントなんですよね。決して難しいことをやろうとした作品ではありません。
普通の人たちの普通の暮らしを描こうと思いました。ただ、その「普通」の中にもドラマがあることに気づいてほしかったんです。
人生にはさまざまなことがありますが、幸せというのはふと感じるもので、そのふと感じる幸せというものを見つけられたらいいなと思って、作ったんです。
この作品を観てくださった方が、小さな幸せを感じてくれたなら、私はこの映画を作って本当に良かったと思いますね。