シネマ旭

ごあいさつ

 今年で第15回を迎えるYMF山形国際ムービーフェスティバル。 これまで多くの方々にご支援と励ましを頂き、心より御礼を申し上げます。

この間、重ねてきた歳月は、自分達の社会や住んでいる街並み、そして会社や家族の状況を変えるには、十分すぎる時間でした。 そんな長い時間、この映画祭に関わり繋がって頂いた多くの映画関係者の皆様に、重ねて感謝申し上げます。 皆さんが撒いてくださった映画文化の種や、次の世代を担うクリエイターの発掘作業は、この場所から世界へと、そして未来へと放たれていくに違いありません。 そして、この東北の山形という田舎町に、愛情や希望の足跡を残して下さったことも、語り継がれるでしょう。 「客体の価値は、主体の価値に比例する」そう考えると、主体とは客体によって成立するのだと改めて気づきます。 ここに参加するすべての人によって、このYMF山形国際ムービーフェスティバルが存在してきたのです。

松尾芭蕉が示した「不易と流行」は、いつの時代も「生命」が宿る瞬間を表現する上での要諦です。 まさに映画そのものが、その時代や社会を生きた人々を映す鏡であり、そこには「生命」が宿ります。 だからこそ、「映画祭」は時代や空間を超え、製作者たちの夢や願いを、怒りや悲しみを、時代の声を感じることができるのです。

2005年に「才能よ、雪に埋もれるな。」というキャッチコピーを掲げ、新人監督の登竜門として、日本では数少ないスカラシップ制度(開催当時から10回までは上限1,000万円、11回目からは企画提出後上限1億円)を導入し、再び映画にトライアルできる映画祭として一躍話題となりました。 すでにスカラシップは11作品にのぼり、YMFで入賞し、デビューした監督は、甲斐さやか監督、上田慎一郎監督、風間太樹監督、山田篤宏監督、柴山健次監督、竹葉リサ監督、三宅伸行監督、片岡翔監督、大森研一監督、中泉裕矢監督、倉田健次監督などがおり、心から応援していきたいと存じます。

しかし、スカラシップが中止の年もありました。 2011年の東日本大震災が起きた時です。 その時、YMF関係者の多くの監督や、アーティスト、役者の方々は、東北の被災各地へ入り、ボランティア支援をして下さいました。 皆さんの復興への熱い願いにより、YMF山形国際ムービーフェスティバルも継続することができました。

2017年は、「ユネスコ創造都市ネットワーク」の映画都市として山形市が認定を受けました。 山形国際ドキュメンタリー映画祭の開催や、東北芸術工科大学などの作家育成支援体制など、多くの映画文化活動が評価されたのです。

そして、第15回山形国際ムービーフェスティバルを開催することができました。 今年は、これまで長きにわたり審査委員長を務められた村川透監督や、俳優賞創設の船越英一郎さん、最多の10回に渡り招待作品を提供してくださった行定勲監督、スカラシップ作品のプロデューサーとして力を貸して頂いた浅野博貴さん、「才能よ、雪に埋もれるな。」のキャッチコピーを考えてくださった萩尾友樹さんの5名に、万感の思いを込め感謝状を送りたいと存じます。

社会は人が作り、時代は人が動かしていきます。 芸術性が非常に高く、素晴らしい「映画」という世界を維持していく為には、さらなる産業としての高みに向かわなければなりません。 「映画」というカテゴリーでは、芸術性と経済性の両価性(アンビバレンス)が必要です。 一人でも多くの、映画を愛してくださる方に応える為にも、山形国際ムービーフェスティバル(YMF)が、その両方の価値を生む機会になれば幸いです。

今年もまた、多くの皆様と出会い、新しい物語が始まることを願ってやみません。 最後に、遠路はるばる東北の奥深い地まで足を運んで頂いた、中央でご活躍中の皆様、東北地方でご協力頂いた多くの皆様方に、心より御礼申し上げご挨拶といたします。



2019年10月

山形国際ムービーフェスティバル 運営委員長
山形県興行生活衛生同業組合 理事長
株式会社東北ケーブルテレビネットワーク 代表取締役社長
株式会社MOVIE ON 代表取締役社長

吉村和文

吉村和文

Yamagata international Movie Festival 2018

才能よ、雪に埋もれるな。

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