第20回山形国際ムービーフェスティバル

四角の中の人たち

作品概要

四角の中の人たち

監督 渡邉裕也 脚本 渡邉裕也 三輪江一
出演 濱正悟 鳴海唯 足立智充 萩原聖人
(76分)

枠に収まることが正解か。

翔太(濱正悟)は、かつて福島の震災ドキュメンタリー番組で高評価を獲得した東西テレビディレクターだったが、今はフリーランスとしてくすぶっていた。そんな翔太を当時の上司・小林(萩原聖人)が呼び出し、再び震災ドキュメンタリーを撮るよう打診する。家族を養わなくてはならない翔太は、渋々その企画を受ける。翔太が気乗りしないのには理由があった。かつて評価を得たあのドキュメンタリーの放送後に、取材対象者が自殺したのだ。配慮を欠いた取材とそれを放送したことが原因であると感じた翔太は、後悔と共にテレビ局を去った。その過去から今回の取材対象・佐藤(足立智充)に慎重に接する翔太。そんな翔太に業を煮やしたインタビュアーの美沙(鳴海唯)が踏み込んだ質問を佐藤に投げかける。美沙もまたメディアの切り抜きにより仕事を干され再起を賭けて必死だった。カメラの回らない中、佐藤は辛い過去を語り始めるが…。

監督プロフィール

渡邉裕也

渡邉裕也 わたなべ ゆうや
1992年・福島県生まれ
東京都在住
本広克行、中島哲也、藤井道人などの助監督を経験。2019年3月に福島県農家の風評被害を描いた『ハッピーアイランド』が劇場公開。ドキュメンタリー形式の撮影が評価された。 現在ドラマ、映画、MVなどを監督。

この作品で伝えたかったこと

伝える側は、果たして伝えられる人間の事を考えているのだろうか。人は、四角の中の書類やテレビにこだわり大事な事を見失っていないか。そのような疑問を感じ、形にした映画です。前作『ハッピーアイランド』で本当に苦労した方々をカメラで捉え、編集するPCで切り刻む。そこに自分のエゴがあった事、ずっと引っかかっています。きっとそれは、ずっと答えの出ない問題な気がします。ただ真摯に向き合うしか出来ないと思います。

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