第20回山形国際ムービーフェスティバル

馬橇の花嫁

作品概要

馬橇の花嫁ばそりのはなよめ

監督 逢坂芳郎 脚本 逢坂芳郎
出演 東盛あいか 田中陸 海老原百華 八下田智生 磯貝圭子
(29分30秒)

昭和30年代 雪国の結婚風景

昭和三十一年、北海道十勝の農村。家族や村人たちは馬と共に汗を流し、農作業に励んでいた。戸山家の長女・一子は、同じ集落の青年部員・豊に惹かれる。村祭りで一子は歌を歌い、豊と心を通わせ、二人は丘で身を寄せ合う。冬の終わり、花嫁姿の一子は家族に見送られながら馬橇に乗り、豊の元へ走り出す。
1950年代の日本北部の農村。冬の終わりに花嫁が馬そりに乗って嫁ぐという結婚式の風習があった。戦後10年、社会が厳格なしきたりから徐々に解放されていく農村社会の姿を描く。

監督プロフィール

逢坂芳郎

逢坂芳郎 おおさか よしろう
1980年・北海道生まれ
北海道在住
ニューヨーク市立大学ブルックリン校で映画制作を学び学士号を取得。前作の短編映画「リトルサーカス」(2021)は、上海国際映画祭金爵賞短編部門にノミネート。2022年、故郷・十勝をベースに映像・映画制作をするため帯広市へ移住。

この作品で伝えたかったこと

地元で偶然見かけた写真で「馬橇の花嫁」の風習を知り、この儀式に当時の農家の生き様が凝縮されていると感じ映画化した。
厳格なしきたりから徐々に解放されていく戦後の農村、日本の農業転換の渦の中で揉まれていった時代だが、この時代を生きた人たちは「あの頃は良かった」と言う。
私は先人が残した記憶と写真を紡ぐように、馬と共生した本来の美しい農村の風景を再現したかった。

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