第19回山形国際ムービーフェスティバル

空と白と波と母

作品概要

空と白と波と母  

監督 西山裕之 脚本 西山裕之
出演 服部樹咲 井上幸太郎 奥貫薫
(14分56秒)

思春期の親子関係を描いたヒューマンドラマ

女子中学生の楓は、母を亡くしてから豆腐店を営む父とは喧嘩ばかり。
ある朝、楓は亡くなった母とよく一緒に出かけていた海へと向かう。青く広がる海を眺めていると、嫌だったことを忘れさせてくれる。
波の音を聞いていると、辛かったことを連れ去ってくれる。空を見上げると、母がいつも見守ってくれている感じがして、頑張れそうな気がしてくる。
家に帰ると父は、丹精込めて丁寧に豆腐を作っている。いつもと変わらない姿を目にする楓。食卓には父が用意してくれた朝食が並び、母の仏壇には毎日供えられている豆腐が置かれていた。
黙ったまま朝食をとる二人であったが、楓が母との思い出の動画を送ることで、父との関係が変わり始める。

監督プロフィール

西山裕之

西山裕之 にしやま ひろゆき
1974年・埼玉県生まれ
東京都在住
1996年にCM監督デビュー。2015年、2017年とNYで舞台「In the BOX」を演出。NYタイムズ紙の「鑑賞すべき舞台ベスト10」に選出。2019年に短編映画「20dB」を初監督。第23回上海国際映画祭・金爵賞短編部門に選ばれた他、グランプリや受賞多数。

この作品で伝えたかったこと

日本の食文化の一つとも言える豆腐。そんな豆腐を寡黙に作り続ける職人の父と、思春期の娘との繋がりを描いた家族の物語。日本の美しい海や、自然、それに加え、牧歌的な街並みとそれを取り巻く状況の中で、揺れ動く乙女の心情と、親子の関係を描いた人間ドラマ。どこにでもあるような普遍的な日常の中での成長を表現。

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